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2006 年11 月20 日

チェコアニメ映画祭2006 【Aプログラム】

今年もやってきました、チェコアニメ映画祭。今年は34本を4つのプログラムに分けて上映。ほんわかした心温まるものから、心が凍りつくようなザックリしたものまで、バラエティも豊富。
でも、大人向け作品も多い(各プログラムの後半は大人向け)ので子供連れはチトきついかも。下ネタもあるしね。


『カバのティリーネック』
絵、ストーリともにほのぼのした作品。妹カバがかわいい。

『クジラのラジク』
不思議な庭シリーズ。町中にある閉ざされた庭に隠された秘密というモチーフはいいよなあ。それにしても町中の庭にクジラとは!その秘密はBプログラムの「動物が好きな男」で明らかに。
それにしても変なクジラ…。

『郵便屋さんの話』
宛名も差出人もないラブレターを1年がかりで配達する郵便屋さんの話。うーむ、共産圏ならではの非効率さ…とおもったら出てくる人みんな非効率的。こういう非効率的というか遠回りな恋のあり方もいいかな…。

『おじいさんは40人』
ナンセンスギャグの傑作。魔法の壷で40人に増殖したおじいさんの、40倍に増幅された日常がもたらす迷惑っぷりが笑える。

『共存』
夫婦ネタ。編み物に没頭する妻とそれが気に食わない夫の話だが、レースを効果的に画面に取り入れているのが特徴。

『ある粉屋の話』
コワイ〜!話の内容も絵もコワイ。キリスト教の説話というオチなのだが、教訓話を超えてコワイです。なんだか語り部(実写)が絵を指し示しながら話が進んでゆく形式も、お寺の地獄極楽の絵解きを思い起こさせるし…。

『カフェ』
カフェで歓談する人々の腹の内を過激かつコミカルに描写。けっこう下ネタも入ってます。
しかし、こういう作品は、作るヤツが一番性格が悪いような…。

『反復』
今回のベスト!イメージフォーラムで見た、フィル・マロイ以来の衝撃!
日常の単調な繰り返しというより、それが生み出すディスコミュニケーションが主題で、淡々とした音楽と反復されるイメージが効果的。1匹の犬の抵抗からどんどん緊張感が高まり、一瞬の開放。ちょっと泣けました。でも、オチはシニカル…。
飼い主に抵抗して踏ん張る犬の姿がイイ!

投稿者:親方
at 06 :15 | 映画 | コメント(0 ) | トラックバック(0 )

チェコアニメ映画祭2006 【Bプログラム】

『宿なしルンペンくんの話』
シリーズものなのか、ルンペンくんより飛ばされた帽子とそれを追いかける親父のナンセンス話が見せ場。それにしても「宿なしルンペンくん」というのは…

『動物が好きな男』
不思議な庭ビギニング。これだけは人形ではなく、平面のアニメーション。
各プログラムに1話ずつ入っている不思議な庭シリーズだけども、これが一番製作年が新しかったりするところが、昨今の「ビギニング」ブームを思わせる。でも、ちょっと切ない感じで好きです。
それにしてもこの猫ちゃんが、あんなドラ猫になるなんて…。

『わらべ歌』
わらべ歌をアニメにしているんだけど、最後にオチがつくとこがミソ。でも、字幕が読みにくくてオチがわからないのがあった。しくしく。

『ちびトラちゃん』
「カバのティリーネック」と同じ絵柄。
お母さんのために夜の森を勇気を振り絞って走るちびトラちゃん。教訓話だなあと思いつつけっこうイイ感じ。こういう話って今の日本じゃ、ちょっと気恥ずかしいよなあ。何でだろ…。
3人組のトラがちょっとコワイです。

『復讐』
ペン画のイラスト調。悪魔の人たちがイイ。

『エンド・オブ・ザ・キューブ』
なんか印象薄いです。

『メディア』
「カフェ」と同じ監督(コウツキー)。このヒト、バイオレンス&スプラッターが持ち味なのかなあ。地球儀から肉が出てきたりするし(実写)…。

『バイオリン・コンサート』
バイオリニストが音楽にあわせて変化。

『ことば、ことば、ことば』
「反復」と同じ監督(パヴラートヴァー)。この作品もコミュニケーション(の障害)がテーマだが、「反復」よりは軽くて洒落た感じで楽しい。完成度高いです
ストーリーに関係なく、隅っこで酒を盗み飲みしている犬がイイ!

投稿者:親方
at 06 :13 | 映画 | コメント(0 ) | トラックバック(0 )

チェコアニメ映画祭2006 【Cプログラム】

『銀紙に包まれたネズミの話』
不思議な庭シリーズ。今回人形アニメはこのシリーズのみ。人形アニメ、けっこう好きなのでちょっと寂しい。
それにしてもあの猫ちゃんが…。苦労したんだろうなあ。

『魔法の果樹園』
中東を舞台にした民話風の話。中東の現状を考えると泣けてしまう。特に最後の方、略奪者が果樹園を襲おうとして撃退されるところはグッと来た…。絵もけっこう好き。

『アマールカ 森番をやっつけた日』
テレビシリーズのせいか、アメリカっぽい絵柄。

『タフなビリーとジャイアント・モスキート』
ナンセンス活劇。理屈ぬきに楽しい作品。動物がカワイイ。くちばしを切られた蚊は泣いちゃってるし。

『履歴書』
「カフェ」と同じ監督(コウツキー)の作品。履歴書の学歴欄から、学校や美術のイメージがバイオレンスかつハイテンポで描かれる。最後の方にディズニーのイメージが出てくるところは、皮肉っぽいけどこの監督なりのオマージュなのかも。しかし版権とかダイジョブだったのか?

『ジレンマ』
これも「カフェ」と同じ監督(コウツキー)の作品。2分の小品だけどさらにバイオレンスなことになってます。オチはちょっと強引なような…。

『永遠に…』
こっちは「反復」と同じ監督(パヴラートヴァー)。実写との組み合わせという形式で、ややまとまりに欠ける感じだが、冷蔵庫のシーンは凄い。ワンシーンの破壊力では「反復」以上かも。ああ、心が凍てつくようだ…。

『ひとめぼれ』
これも「カフェ」と同じ監督(コウツキー)で似たような感じ。シニカルだよなあ。

投稿者:親方
at 06 :06 | 映画 | コメント(0 ) | トラックバック(0 )

チェコアニメ映画祭2006 【Dプログラム】

『犬と妖精の話』
絵がタンタン風。でも、主人公の犬がイマイチ可愛くない!

『トラをつかまえろ!』
不思議な庭シリーズ。これが今回上映のなかではいちばん古い作品。流れ的には(「動物好き」→)「トラ」→「ネズミ」→「クジラ」となる。それにしてもこのシリーズの悪ガキたち、礼儀も知ってるし、弱いものを守ろうとするし、現代日本の悪ガキとは違うよなあ。

『けしのみ太郎』
シリーズもの?ちょっと断片的な感じの小品。

『カシュバーレックとホンザ 盗まれた王冠』
これもシリーズものだろうか。悪い竜から盗まれた王冠(とカツラ)を取り戻す話だが、こいつら性格悪いよなあ。

『めがね』
うーむ、言わんとすることは分からないでもないが、イマイチ納得できないよなあ。

『夫婦生活』
『クロスワード』
この2本も「反復」の監督(パヴラートヴァー)。初期のものっぽいが、もうテーマはディスコミュニケーション。それにしても夫婦生活はディスコミュニケーションの宝庫なのか?

『ネズミ、万歳』
「カフェ」と同じ監督(コウツキー)。影響を受けた「トムとジェリー」へのオマージュ?
しかし、わざわざこういうオチをつける必要があるのか?というか、こういうオチを、ついつけたくなるのがチェコアニメの伝統かも。

『カタストロフィー』
オチは夫婦ネタ。チェコは恐妻家ばかりか?

というわけで、今回のマイベストはAプログラムの「反復」(監督:パヴラートヴァー)でした。この他にもAプログラムは見所が多くて1つだけ見るならAがおすすめかも。特に「ある粉屋の話」→「カフェ」→「反復」という流れがけっこうきてます。上映後の雰囲気がAだけ違ってたし…。あと、「ことば、ことば、ことば」もいい感じです。

パヴラートヴァー…一体何者なのだ?

投稿者:親方
at 06 :02 | 映画 | コメント(0 ) | トラックバック(0 )

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